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最高裁判所第三小法廷 昭和61(オ)1304 判決

主 文

一 原判決主文1並びに第一審判決主文一、2及び三を次のとおり変更

する。

1 上告人が、

(一) 被上告人B1に対し、第一審判決別紙第一目録4(一)、(二)、5

(一)、(二)、8ないし10記載の各株式につき、

(二) 被上告人B2に対し、同目録1、2(一)、(二)、3(一)ないし(

四)、5(一)ないし(三)、6ないし10記載の各株式につき、

(三) 被上告人B3に対し、同目録1、2(一)、(二)、3(一)ないし(

四)、4(一)ないし(三)、6ないし10記載の各株式につき、

(四) 被上告人B4に対し、同目録3(一)、(四)、4(一)、(二)、5(

二)、8ないし10記載の各株式につき、それぞれ各一一分の三の共有持分を有す

ることの確認を求める訴えを却下する。

2 上告人と被上告人B1及び同B4との間において、上告人が、同目

録1、2(一)、(二)、7記載の各株式につき各八〇分の二一の共有持分を有するこ

とを確認する。

3 上告人と被上告人B5との間において、上告人が、同目録1、2(

一)記載の各株式につき各八〇分の二一の共有持分を有することを確認する。

4 上告人の被上告人B1、同B2、同B3、同B4及び同B5に対す

るその余の請求(拡張請求とも)を棄却する。

二 上告人のその余の上告を棄却する。

三 本件附帯上告を却下する。

四 上告人と被上告人B1、同B4及び同B5との関係では、訴訟の総

費用はこれを二分し、その一を上告人の、その余を被上告人B1及び同B4の負担

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とし、上告人と被上告人B2、同B3、同B6及び同B7との関係では、上告費用

は上告人の負担とし、附帯上告費用は附帯上告人の負担とする。

理 由

上告代理人田浦清、同中山俊治の上告理由について

一 上告理由一、(二)「遺言書の解釈についての認定誤り」は、平成元年一〇月

四日付け上告理由の一部撤回申立書により撤回された。

二 上告理由二について

1 所論の点に関し、原審は、(一) 上告人の父亡Dが昭和四七年七月一七日に

死亡した当時、同人が保有していた訴外E倉庫株式会社の株式数は合計四九一〇株

(第一審判決別紙第一目録1、2(一)、(二)、7記載の各株式。以下合わせて「本

件株式」という。)であること、(二) Dの相続人は、上告人のほか、被上告人B

7、同B4及び同B1の計四名であったこと、(三) Dの遺産に対する上告人の相

続分は、Dの遺言による指定相続分が二〇分の三、法定相続分が八〇分の九であっ

て、合わせて八〇分の二一であること、したがって、上告人はDの遺産である本件

株式に対し各八〇分の二一の共有持分を有することを認定した。しかるに、原審に

おいて、上告人が被上告人B1、同B2、同B3及び同B4に対する第一審におけ

る請求、すなわち、本件株式及び第一審判決別紙第一目録3(一)ないし(四)、4(

一)ないし(三)、5(一)ないし(三)、6、8ないし10の各株式合計一万株(以下

「全株式」という。)の各四分の一の共有持分を有することの確認請求を拡張して、

右被上告人ら四名に対し全株式の各一一分の三の共有持分を有することの確認を求

め、また、上告人が被上告人B5に対する第一審における請求、すなわち、第一審

判決別紙第一目録1、2(二)の各株式(合計四八〇〇株)の各四分の一の共有持分

を有することの確認請求を拡張して、右被上告人に対し各一一分の三の共有持分を

有することの確認を求めたのに対し、原審は、右請求の拡張部分を含め上告人の控

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訴を全部棄却した。

2 しかしながら、右認定事実及び原審の認定したその余の事実関係の下におい

て案ずるに、上告人の被上告人B1、同B2、同B3及び同B4に対する請求は、

被上告人B1及び同B4に対し本件株式の各八〇分の二一の共有持分を有すること

の確認を求める限度において、また、被上告人B5に対し第一審判決別紙第一目録

1、2(一)の各株式の各八〇分の二一の共有持分を有することの確認を求める限度

において、それぞれ理由があるが、その余は失当であることが明らかである(本判

決主文第一項1(一)ないし(四)記載の各株式の一一分の三の共有持分を有すること

の確認を求める上告人の訴えは、被上告人B1、同B2、同B3及び同B4におい

て、それぞれ当該株式に係る権利が自己に帰属する旨を主張しているものではなく、

上告人の権利者としての地位に危険、不安定等何らかの不利益を及ぼすおそれが現

に存在する場合でないから、確認の利益がなく、その余の請求はいずれも理由がな

い。)。そうすると、原判決には、上告人の請求のうち、被上告人B1及び同B4

に対し、第一審判決が認容した本件株式の共有持分である各四分の一を超え八〇分

の二一までの共有持分を有すること及び被上告人B5に対し、第一審判決が認容し

た同判決別紙第一目録1、2(一)の各株式の共有持分である各四分の一を超え八〇

分の二一までの共有持分を有することの確認を求める請求(原審における拡張請求

の一部)を棄却した点並びに被上告人B1、同B2、同B3及び同B4に対し、本

判決主文第一項1(一)ないし(四)記載の各株式の共有持分である各四分の一を超え

一一分の三までの共有持分を有することの確認を求める請求を棄却した点において

理由齟齬の違法がある。したがって、この点の違法をいう諭旨は理由があり、原判

決主文1並びに第一審判決主文一、2及び三は、本判決主文第一項のとおり変更す

べきものである。

三 その余の上告理由について

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所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当と

して是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属

する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができな

い。

附帯被上告人Aに対する附帯上告について

附帯上告が上告理由と別個の理由に基づくものであるときは、当該上告について

の上告理由書提出期間内に原裁判所に附帯上告状を提出してすることを要するもの

であることは、当裁判所の判例とするところである(最高裁昭和三七年(オ)第九

六三号同三八年七月三〇日第三小法廷判決・民集一七巻六号八一九頁)。これを本

件についてみるに、本件附帯上告理由は、上告代理人田浦清、同中山俊治の撤回前

の上告理由一、(二)「遺言書の解釈についての認定誤り」と同旨である。しかしな

がら、右上告理由は、上告代理人中山俊治作成の平成元年一〇月四日付け上告理由

の一部撤回申立書が当裁判所に到達した同月五日の時点でその撤回の効力が生じた

ものである。しかるに、本件附帯上告理由が記載された附帯上告状は、右撤回の効

力が生じた後の平成二年八月二二日に提出された。したがって、本件附帯上告は、

上告理由と別個の理由に基づくものといわざるを得ない。しかして、本件附帯上告

状は、本件上告事件につき上告代理人中山俊治に対し上告受理通知書が送達された

日から五〇日を超えた後の平成二年八月二二日に提出されたことは、記録上明らか

であるから、上告人Aに対する本件附帯上告は、不適法であって、却下を免れない。

附帯被上告人B1及び同B7に対する附帯上告について

記録によれば、附帯被上告人とされるB1及び同B7は、附帯上告人B4に対し

上告の申立てをしていないことが明らかである(本件上告事件で上告人Aが上告の

申立てをしていても、同上告人と被上告人B1及び同B7とは必要的共同訴訟人の

関係に立つものではないから、Aの上告の申立ての効果としてB1及びB7が上告

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人になるというものではない。)から、B1及びB7に対する本件附帯上告は、不

適法であって、却下を免れない。

よって、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、三八四条、三九九条ノ三、九六

条、八九条、九三条、九二条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決

する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 貞 家 克 己

裁判官 坂 上 壽 夫

裁判官 園 部 逸 夫

裁判官 佐 藤 庄 市 郎

裁判官 可 部 恒 雄

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